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歯医者が考える正しい歯医者の選び方(インプラント編)

インプラント

歯を失ってしまった場合の治療として、「ブリッジ」、「入れ歯」、「インプラント」、「そのまま放置」という4つ選択肢がありますが、この中では誰が何といってもインプラント治療が最もいい診療だといえます。
注)重度の骨粗しょう症などの特別な事情でインプラント治療ができない場合は別です。
歯を失ってしまった場合は、インプラント治療以外のすべての選択肢がほかの歯にダメージをかけてしまうなど、1本歯を失ってしまったことによる負の連鎖が発生します。例えばブリッジは、歯を失ってしまった場所の両隣の歯を削って、ワンピースのブリッジをセットします。本来削らなくて済む歯を削るのは、もちろん歯にとって大ダメージですし、菌もたまりやすいし、その削った2本の歯に、3本分の噛む力がかかるので、その2本の歯の一生もつ可能性を大幅に減少させます。
インプラントは周りの歯やお口全体に与える悪影響が最も少なく、持久力と咀嚼能率が高い治療方法です。人工的な歯ではありますが、失った歯をもう一度手に入れることで、歯を失う前の快適な口腔環境を取り戻すことができます。

インプラントの選び方

インプラントに力を入れている歯科医院には必ずCTがあります。インプラントを打つ際、かならず三次元的な診断を行ってからではないと正しく治療を行うことはできません。また、CTがなければそもそも本当に抜かなくてはならないかわからないケースも多々あるので、抜かなくて済む歯を抜かれてしまうかもしれません。
実際に使用される「インプラント体」にもさまざまなブランドがあり、世界中に約900個ものブランドが存在します。900もあればものによって、品質も原価も大きく異なります。インプラント治療の品質が気になる方は、どのようなインプラント体、被せ物が使用されるのかを事前に確認されることをお勧めします。
インプラントは「一生虫歯になることはありません」。しかし、インプラント周囲炎(インプラントの歯槽膿漏)やインプラントの破折は予防する必要があります。それらを防ぐためにはまず一番大事なのは、術者の技術力。どこの位置に適正にインプラントを埋入することができるかが大事です。そして「患者様一人ひとりにあったインプラント、被せ物」を使用する必要があります。インプラントの品質は、素材はもちろん実際に使用される被せ物を製作する技工所の技術力によって大きく左右されます。優秀な技工所の加工料金は格安の業者に比べると高額となることが多いですが、上記のインプラント周囲炎や破折を防ぐ可能性は高まります。

インプラントが得意な歯科医院の特長

上の項目で書いたCTの機材があること、インプラント体や被せ物の素材にこだわっていること、優秀な技工所に製造を委託していることのほかに、インプラント症例数の多い歯科医院・クリニックを選ぶことが大切かと思います。
インプラントは安価ではありませんが、自分の歯を取り戻し、安心を買う治療です。インプラントのメリットを享受できる品質の高いクリニックで治療を受けられることをお勧めします。

インプラントのOPEの時間、術後の腫れ、痛みは術者により全然違う

上記のとおり、インプラントのOPE時間や術後の痛み、腫れなどの要素は術者により全然違います。
もし「インプラントは難しい処置だから、OPE時間もかかるし、痛み腫れが出る」という説明を受けたとしたら、それは間違っています。
まず、手術にかかる時間についてですが、熟練したドクターが手術を行う場合、簡単な症例であれば10分を切ります。また、難症例でも20分前後で完了します。これは、「治療が雑だから早い」のではなく、最適な位置に最小限の骨の切削で手術を行うため、短時間での手術が可能になります。最適な位置に最小限の骨の切削で行う手術は術後の痛みや腫れも少なくなります。熟練していないドクターが手術を行うと、無駄な骨の切削が出てしまったり、判断や切削に要する時間が長くなってしまうために手術時間が長くなり、術後の痛みや腫れも出やすくなります。

インプラント治療をうける医院を選ぶポイント

症例数、実績が多い

スポーツにおいても仕事においても言えることですが、年間100回経験する人と、年間10,000回経験する人とでは、熟練度も、経験から得られる知識も大きく異なります。

骨が少ないなどの難症例のオペも受けることが出来る

骨が少ないなど難しい症例の場合、全ての病院がオペを実施できるわけではありません。治療の難易度が上がるため、より技術と経験のある歯科医師を探して治療を受けることをおすすめします。担当した歯科医師に「骨が無いからインプラント治療はできません」と言われた場合も、他の歯科医師であればインプラント治療が可能な場合があります。ぜひ他の歯科医師の意見(セカンドオピニオン)も聞いてみてください。

当院のインプラント症例

他院では不可能と言われたインプラントオペの症例です。
骨幅を1mmから8mmまで抜歯即時でソケットリフトで上げてインプラントを埋入しました。
手術に要した時間は2本のソケットリフトで35分でした。

もともと1mm以下だった骨を骨造成で9mmに増やした症例

佐藤理事長のインプラントオペ(前歯抜歯即時埋入)

きちんとした説明を受けられる

患者様にとって、インプラント治療は、どのような治療の仕方で、どのような仕上がりになるかが説明の段階でわからないと不安ですし、インプラント治療は特に患者様と歯科医師の信頼関係が重要です。わかりやすい説明を受けれるかどうか、そしてその病院、その歯科医師を信じれるかどうかはとても大事なポイントです。ゆえにインプラント治療を受ける医院の選択においてこのポイントは非常に大事だといえます。また歯科医師のレベルの確認にもなります。きちんとした治療ができて、ちゃんとインプラント治療の経験を積んでるDrは経験が乏しい先生よりもわかりやすい説明ができるはずです。説明が下手な先生は技術力も乏しいのかもしれません。説明力と経験値は比例します。それに仮に技術はあるけど、説明が下手、もしくは説明を重視していない先生だとしたら、信頼関係を結べる内面ではないのかもしれません。

扱うインプラント、材料にこだわっている

インプラントは高額な治療ですが、今後の食生活や健康の安心を手に入れる治療です。どのブランドでどの材料を使っていくかによって、原価も違いますが、治療によって得られるものも大きく異なります。安かろう悪かろうではなく、いいものを扱っている病院を選ぶことをオススメします。

設備が充実している

「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが、医療においては技術力の高い人が最新設備で治療を行うに越したことはありません。設備が充実している医院を選びましょう。

保証制度がしっかりしている

保証制度の内容は、その病院の治療への自信と患者様への思いやりの表れであると言えます。治療技術、品質が悪いのに保証期間を長くすると自分の首を絞めるので、保証期間の長さ、条件はその医院の治療の自信と比例するといえるでしょう。

骨造成(再生療法)を行う場合は、何の骨を使用するかも確認

骨造成と一言に言っても、歯科医院によって使っている骨の種類が異なります。
まず骨の種類は非吸収性と吸収性に分かれます。
吸収性 非吸収性
人工骨 豚、馬、人、自分の骨
非吸収性の骨は術中は扱いやすいですが、何年経っても馬の骨は馬の骨のままであり、当然ですが、10年後にレントゲンを撮っても馬の骨のままです。
自家骨は最も優れた骨補填材ですが、治療のために大きく顎の骨を削るため、侵襲が最も大きいというデメリットがあります。
吸収性の人工骨は、年月が進むと吸収される性質を持っています。吸収されると言っても「吸収されて無くなってしまう」のではなく、「吸収されて自分の骨に置き換わる」性質です。
つまり、10年後にレントゲンを撮ると、人工骨が自分の骨に変わっているのです。
当院では吸収性の人工骨を使用しておりますが、実際に骨造成を受けられる場合は事前に「何の骨を使用するのか」を確認されることをおすすめいたします。

吸収性の人工骨を使用した骨造成症例の経過(左から手術前、手術直後、1年後、5年後

インプラントの敵

インプラントは一生虫歯になることはありません。
インプラントがなりえる病気はインプラントの歯周病(インプラント周囲炎)と、インプラント体の破折です。
どちらも対細菌とインプラント体にかかる力のコントロールが大事になります。
そのため以下の点が重要です。

インプラントが一生持つ期待値を上げる要素

インプラントの埋入位置とサイズ選択

インプラントを埋入する角度や位置によって、審美性も全然違いますが、菌のたまりやすさ、咬む力によっておこる歯周病、破折のリスクも全然違います。
例えば釘もまっすぐトンカチで打つから綺麗にささりますが、斜めにトンカチで打つと曲がってしまします。
インプラントを埋入する部位の残っている骨の量、形態による制約とその部位の歯が噛む相手の歯の位置とのバランスでいかに理想的な位置でいかに理想的な角度に埋入するかで結果は全然変わってきます。

[Before]

[After]

上部構造(アバットメントと被せもの)の形態

菌や汚れのたまりにくい形態で、インプラント体に対していかに噛んだ力をいい角度で伝えるかが重要となります。

メンテナンス

適切な家でのケアとプロフェッショナルケア(歯科医院でのクリーニング)を続けることが必要です。
  • 家でのケア
インプラントに限っての話ではなく自分の歯に対してもそうですが、歯ブラシだけではなく歯間ブラシやフロス、洗口剤も使用して家でもケアしていただけるとより清潔で歯周病になりずらくなります。
  • 歯科医院でのケア
これもインプラントに限っての話ではなくすべての歯に対する話になりますが、ホームケアだけだと・磨いているつもりだけど、歯ブラシが当たっていなくて磨けてない。
・難しい場所で頑張って意識しているがとりきれていない
・汚れが固まってしまって歯ブラシも当てれているがプロフェッショナルケア(歯科医院でのクリーニング)でないと取れない状態になってしまっているという風になってしまいます。
すべての病気がそうですが、虫歯や歯周病も予防が最も重要であるため定期的に歯科医院でのクリーニングをうけることが重要になります。(当院ではできれば月に1回のペース、どうしても忙しい人でも最低半年に1回のプロフェッショナルケアをお勧めしています)
定期的に通うことで、口を清潔に保つことにモチベーションが上がりますので、家でのケアのレベルも上がりますし、万一なにか悪い状態になってしまっても早期発見、早期処置をすることで小さい治療で済むことも増えます。
ゆえに定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることはすべての人にお勧めしたいです。
またインプラント特有の話では、人の噛み合わせは実は虫歯になったり、歯医者で削られたりしなくても骨の形態が年々変わることや夜の歯ぎしりなどの要因により変わっていきます。ゆえに力のコントロールが重要なインプラントはかみ合わせが大事なので定期的にかみ合わせをプロフェッショナルケアの時にチェックしてもらえると望ましいです。

監修・執筆

医療法人社団さとうDC
理事長佐藤悠野

当コラムは2019年12月12日に医療法人社団さとうDC 理事長の佐藤悠野が執筆しました。
2021年11月22日に医療法人社団さとうDC 理事長の佐藤悠野が「インプラントの敵」を追記しました。
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